2015年4月22日

難手術後に数日で移植、脂肪肝ドナー例も…生体肝移植死

神戸国際フロンティアメディカルセンター(院長=田中紘一・京大名誉教授)で生体肝移植を受けた患者4人が死亡した問題で、生体肝移植に適さない患者や臓器提供者(ドナー)に手術したケースがあることが関係者への取材でわかった。

進行した悪性腫瘍を大きく切除する手術を受けた数日後の患者に移植をしたり、ドナーが脂肪肝だったりというもので、専門家は「明らかに移植手術の適応外」と指摘している。

昨年11月に開院した同センターでは同12月~今年4月、8人に生体肝移植が行われ、うち4人が死亡した。

複数の関係者によると、死亡した患者4人のうち、1人の子どもの患者は、進行した悪性腫瘍のため、肝臓の一部切除と、膵臓(すいぞう)の一部と十二指腸の切除を同時に行う難手術を受けて肝不全となり、この手術からわずか数日後、緊急に生体肝移植を受けた。

専門家によると、進行した悪性腫瘍は通常、移植の対象にできないうえ、この手術は高難度で負担が大きく、回復力が衰えた病状で、死亡するリスクがある生体肝移植は適さないと考えるのが一般的だという。臓器移植に詳しい別の医師は「そこまで病状が悪い患者に移植するのは危険で、聞いたことがない」と驚く。

また、別の死亡患者には、医療関係者が見れば明らかに脂肪肝だとわかるドナーの肝臓の一部が移植された。脂肪肝は、肝臓に脂肪がたまり、肝機能が悪くなった状態を指す。このような肝臓を移植してもうまく働かず、患者とドナーの双方が肝不全となるリスクが高まる。このため、手術前に画像検査や肝臓の組織を採って調べることが必要だが、行っていなかったという。

こうしたことは、同センターの生体肝移植について診療内容を調査している専門医団体の日本肝移植研究会(会長=上本伸二・京大教授)も問題として確認しているとみられる。同研究会は今週にも、調査結果を報告書にまとめる予定だ。

同センターは「報告書が出るまで個別の取材には応じられない」としている。

(2015年4月22日読売新聞)

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