2015年4月20日

iPS細胞応用、山中氏「加速させる」

京大iPS細胞研究所(CiRA)と武田薬品工業がiPS細胞技術の臨床応用に向けた共同研究を行うことで契約を結んだことを受け、山中伸弥CiRA所長は17日、契約締結に関する記者発表会で、武田の研究ノウハウや開発中の化学物質などを使って、「iPS細胞技術のアプリケーション(医療応用)を一気に加速させたい」と意気込みを示した。研究拠点となる武田の湘南研究所内には、10のプロジェクトチームを設置する考えも明らかにした。【松村秀士】

CiRAと武田は同日、糖尿病などの領域で10年間にわたって共同研究を始めると発表。研究にかかわる費用は計200億円、研究員は計100人で双方から各50人程度出す。

この日の記者発表会で、山中氏は、日本国内で50人規模の大学研究者が民間企業に出向き、共同で研究を進めることは今までなかったと指摘。CiRAが目標の1つとしているiPS細胞による“個別化医薬”の実現と難病の創薬を推し進める上で、武田との連携は「非常に力強い動き」と強調した。

CiRAはこれまで、武田以外の民間企業ともiPS細胞を用いた新薬の研究を行ってきた。これについて、山中氏は、「(武田との研究分野の)切り分けを十分に行いながら、今後もほかの企業との連携を積極的に進めていく」と説明。今回のCiRAと武田との共同研究が、日本国内での産学連携の促進につながることに期待を示した。

■武田CEO、「創薬の在り方変える」

武田のクリストフ・ウェバーCEO兼社長は、CiRAとの共同研究により、「創薬の在り方を変えることができる」と強調。連携のメリットとして、▽研究の段階で作製したiPS細胞を使った薬剤試験▽創薬コストの低減—などを挙げた。

iPS細胞技術の臨床応用をめぐっては、昨年、理化学研究所と先端医療振興財団が加齢黄斑変性の患者に手術した事例がある。

[CBニュース http://www.cabrain.net/news/article/45501.html]