2015年4月18日

介護・医療機関への不動産投資信託「ヘルスケアリート」とは? 現状と課題を知ろう!

超高齢化社会を迎えた今、医療施設や介護施設へのニーズが増々高まり、より多くの医療機関や介護施設の整備が急がれているなかで政府ではアベノミクスの成長先着の一環として医療・介護施設などのヘルスケア施設への投資を行うリート(投資ファンド)の導入の推進が図られていることをご存知でしょうか?

ヘルスケアリートとは、介護施設などの施設運営者が保有する施設を投資法人に売却し、施設の保有者となった投資法人から賃借し、入居者などの利用者にサービスや施設利用権を提供する体裁をとるという仕組みで運用される投資ファンド。

資金調達を投資という形で行い、投資した人にはヘルスケア施設から得た収益を分配する形で運用されるヘルスケアリートは、世界ではアメリカなどを中心に徐々に広がってきている金融商品のひとつです。

利用者側にとっては、こうした新たな仕組みで介護施設や医療施設が増えれば、利用の選択の幅が広まることから、一見良い取り組みのように見えることも。確かに、メリットとしては、施設運営の透明性が向上し、サービスレベルが維持されることなどが期待されるとされていますが、実際のところまだまだ課題があるのも事実です。

第一に、ヘルスケア施設となる病院や介護施設などにとってヘルスケアリートを導入することは投資する側にとってはメリットがあっても、ヘルスケア施設運営者にとっては決してメリットが大きいものではないことが挙げられます。

また、介護施設などにおいては、入居者にとって賃貸コストが間に立つプレイヤーが増えることから値上がりする場合もあり、経営上の利潤を負う運営が決して利用者にとっていい方向となるとは限らない可能性があることも指摘されています。

大切な利用者の命や生活を預かるという福祉や公共施設としての役割も担っている介護・医療サービスが経済的な利潤の追求第一の方針によって運営されてしまえば、介護保険制度や医療保険制度とはちょっぴり違った方向に行ってしまいそうです。

これからの高齢化社会において、増々需要の高まるヘルスケア施設。供給量を確保する為には「お金(資金)」が必要であることは言うまでもないこと。ヘルスケアリートは資金調達などがこれまでよりも簡単になる可能性も出てきますが、こうした動きとともに、介護人材の待遇面での改善などその施設で働く人材への投資もしっかりと行われる仕組みとなって欲しいところですよね。

既に、高い利回りが得られるのではないかと期待が集まり、「大和証券グループ」が「日本ヘルスケア投資法人」を立ち上げるなど、続々と参入が進むヘルスケアリート。国土交通省などを中心に、導入促進に向けた政策が進んでいますが、今後の動きに注目していきたいところです。

[みんなの介護 http://www.minnanokaigo.com/news/N41328088/]