2015年4月8日

滋賀)逆境の中生きた、ハンセン病療養所の記録

ハンセン病療養所の患者の記録をまとめた本「島で」

ハンセン病療養所患者の記録を出版した阿部安成滋賀大教授

瀬戸内海の大島(高松市)にある国立ハンセン病療養所「大島青松(せいしょう)園」のキリスト教信仰組織「霊交会」の記録を調査してきた滋賀大学経済学部の阿部安成教授(53)=社会史=が、研究成果をまとめ、「島で ハンセン病療養所の百年」を出版した。逆境の中で信仰に生き、文学や芝居などの文化活動に取り組んだ会員たちの真剣な生き方が伝わる。

かつてハンセン病は「不治の伝染病」とされ、「らい予防法」で、患者は全国に13カ所あった国立療養所に強制隔離された。1909年設立の大島青松園には最大時900人の患者が暮らした。治療法も進歩したのに隔離を続けるのは人権侵害との批判が高まるなかで、96年にらい予防法は廃止。2001年に熊本地裁は「遅くとも60年以降は隔離の必要性は失われていた。隔離を続け、差別や偏見を助長した法律は憲法違反」として国に対し、患者への損害賠償を命じた。国は控訴せず、患者らに謝罪した。

阿部教授らは04年から10年間、大島に渡り、会の記録や蔵書を精査した。

[apital http://apital.asahi.com/article/news/2015040800001.html]